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    2020-10-02 14:31:00 UTC

    TOKYO TRANSPARENT BOUNDARIES 001 写真家・鈴木悠生の個展開催。東京で撮影した〈TOKYO TRANSPARENT BOUNDARIES〉シリーズの新作を発表。 BEHIND the GALLERYにて、2020年10月28日(水)から11月3日(火・祝)まで、写真家・鈴木悠生の個展「TOKYO TRANSPARENT BOUNDARIES 001」を開催いたします。本展では、2019年より8×10、4×5の大判フィルムカメラを用いて東京において撮影された新作を展示いたします。 鈴木悠生は建築を学んだ後、都市とそこに点在する場所や建築から生まれる現象と経験、そして歴史的な出来事に着目し、写真というメディアを用いて見る=まなざすという行為のあり方を問うてきました。 本展で発表されるカラー写真作品「TOKYO TRANSPARENT BOUNDARIES」は、東京を舞台に都市における「境界」を捉えた新作になります。今日、国内のみならず国際情勢において、国境といった行政的な境界が絶えざる紛争の引き金となっています。地図という平面にある一本の線が引かれることで、現実に壁やフェンスが立ち並び、これまでとは異質な風景が立ち現れます。ひとたび、境界が策定されると、分割された二者はあたかも別の性質を持つものとして、それ以降存在することになる。この境界が作り出す事後的な分割に興味を抱いた鈴木は、自らが住む東京において境界が風景の中にどのように存在し、境界が風景をどのように規定しているのかという問いを探究することを始めました。 日本は海に囲まれた島国ゆえ国境に対する意識が曖昧であると言われます。しかしながら、この日常的な感覚の中で、それでもなお現実には幾重にも折り重なる境界が存在しています。延々と続く高速道路を走る車中では、カーナビの音声や道路脇の標識が見えない県境を越えたことを告げ、境界というものが歴史的に旧来の状態を原則根拠としてそれぞれ区域が定められていることを知り、風景の中に人為的に引かれた線は過去から引き継がれた境界であったことを発見しました。歴史的な重層性を帯びた境界とそれが刻印された場所の記憶を写し取るために、鈴木は8×10といった大判フィルムカメラを用いることにしたのです。 境界線へピントを置きながらも、大判カメラの特性を活かしたピント調整によって、私たちが見る光景とは少し異なる光景がイメージとして鈴木の写真に焼き付けられています。そこに存在する歪みは、私たちが風景をどのように形作ってきたのか、線を引いて分けるという行為が何であるのかということへと思いを遠く馳せるきっかけとなるのではないでしょうか。 2020年に入ってもなお、目まぐるしくスクラップアンドビルトを繰り返す東京においても、境界を巡る問題は潜み続けています。かつて、パリという都市を観察者の眼で捉えたアジェは、マン・レイとのやり取りの中で自身の写真を指し、 “Ce ne sont que des documents, des documents que je fais.” 「これらは単なる記録であって、私が作っているのは記録なのだ」ウジェーヌ・アジェ という言葉を残しています。 本展は都市を境界という新たな視点から捉えた記録/ドキュメントとなることを目的とした鈴木の連続写真展の記念すべき第1回となります。 新型コロナウイルス感染症が収まらない日常ではございますが、ぜひご高覧下さいませ。 Press release download 会期: 2020年10月28日(水)- 11月3日(火・祝) 開廊時間: 11:00 - 19:00 (最終日のみ - 18:00) BEHIND


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