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地図という平面に一本の線を引き、それを「境界線」と名付けることで、二つに分けられ、それぞれに名前が付された風景が立ち現れる。


ある日、延々と続く高速道路を走る車中で、カーナビの音声が東京から神奈川へと県境を越えたことを幾度となく告げた。目の前の連続する風景の中に、一瞬で越えられる、(地図上では見えるが)〈見えない〉境界があるという当たり前の現実は、私へ何とも言い難い違和感と、同時に、興味を与えた。

いつしか、日常を過ごす東京の風景の中から、見えざるものとして領域をかたちづくる境界線を私は探し始めていた。 


日々壊しては新たに築き上げる人間の生活は、境界線の引き方を定めるとともに、それらによってかたちづくられた場所に固有の歴史と雰囲気を築き上げてきた。

境界、そして、場所に刻まれた「境界なる」存在としての気配。

これら〈見えない〉ものの姿を掴み取ろうと、私はカメラの焦点を向け、フィルムへ透明な像として焼き付けていく。


炙り出された一つ一つの境界の風景へのまなざしを通じて、私たちが場所、風景をつくっていくという行為、そして、風景の集まりとしてある「都市」なるものの姿を探究していく。


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