TOKYO TRANSPARENT BOUNDARIES
2019 -
2019 -
22
03-09
09-10
13-04
21-17
02-07
11-09
08-11
地図という平面に一本の線を引き、それを境界線と名付けることで、二つに分けられた風景が立ち現れる。
ある日延々と続く高速道路を走る車中で、カーナビの音声が東京から神奈川へと県境を越えたことを告げた。その時、一瞬で越えられてしまう見えない境界によって、目の前の連続する風景に別の名前が与えられてしまう現実に何とも言い難い違和感を覚えた。
境界へと興味を抱いた私は、生活してきた東京において境界が風景の中でどう存在し、風景を形作っているのかという問いを探究し始めた。
境界は気配を私へ微かに現しながら、そこに在るのにも関わらず、私の目を通して見ることができない。
ならばと、機械の視覚を持つ写真によって〈透明な〉境界をまなざすことにした。
境界線へと焦点を向ける。
光学的なまなざしは、境界の向こう側との間に在る境界の姿を掬い上げ、透明な像をフィルムの上に描き、そして、新たな一つの風景を立ち上げていく。
見えざる線として隠れる権力へ抵抗する様に、粒子によって緩やかに繋がる風景たちが、都市としての東京の姿を描き出していった。
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